ナイフを取り換えたサイドクリップ
先日、近所のレザーマンツール販売店から修理依頼をした者です。
サイドクリップのメインブレードが折れてしまい、修理を依頼しました。
このサイドクリップの購入時は大学生で、当時7000円前後だったと記憶しています。
友人と一緒に買い求めました。
彼はPSTを購入しました。
購入以来、ほとんど毎日ポケットに居た、20年来の相棒です。
しばらくしてからマイクラも買いました。
実は当初、他メーカーの同等品を購入したのですが、使い勝手が悪く、かの友人が一足先に購入していたマイクラを借りた時に惚れこんでしまったのでした。
キャンプに行ったり、日々鉛筆を削ったり、アクセサリーの修理や模型製作、ラジコンのメンテに、社会人になってからは技術系の仕事でしたので、仕事にもと、まさしくポケットの中の万能ツールでありました。
時々、PSTを使っている人を見かけたり、私のサイドクリップを見かけた方から話しかけられ「これは知らなかった。譲ってもらえないか」とか、PST−IIと交換してもらえないか、とまで言われたこともあります。
あのいさぎよい「必要最小限さ」に惹かれたとのことでした。
新製品にも興味があり、使ってみたいと思いましたが、私にはやっぱりあの無骨な、ずっしりとしたサイドクリップでないとしっくりこないのです。
今回廃番で修理不可とのことで当初は製品・同等品との交換対応というお返事を頂きました。
一時はお話を受け、了解したのですが20分後にお店に連絡し、たいへん失礼だったとは思いましたが、修理不要でご返却頂く様にお願いしました。
廃番は知っていたのですが、事前にネットで調べて同じくサイドクリップの修理体験談が乗っていたので、可能ならばと思ったのですが、やむを得ません。
新製品との交換対応をお断りした理由は、ほんとうに失礼とは思いましたが、あのサイドクリップが返ってこないのならば、 いくら新製品と交換してもらったところで嬉しくはなく、むしろ自分の一部が欠けてしまった様な気さえするので、修理をお断りした次第です。
長々と書いてしまいましたが、その時に修理をお断りした理由と私の気持ちを少しでも知って頂ければと思う次第です。
修理に出してから、ポケットがスカスカと寂しく、 毎日 「直らなくても早く返ってこないかなぁ」 と思っていました。
しばらくはこれまた20年来の相棒のマイクラや、レザーマンフォールディングナイフ(初期のオールステンレス・フレームロックの薄い奴です。火打石(フリント)がついていましたね)がありますから、大丈夫です。
このレザーマンフォールディングは、前述の友人とナイフを交換し合い、私の手元に来たものです。
私のレザーマンは、常にかの友人と共にありました。
この後で連絡があり、ブレードを付け換えて頂いたとの事、 御社の対応には頭が下がるばかりです。本当にありがとうございます。
本日、手元に届きました。
修理に出してから1週間以内で戻ってくる、しかも修理できない所を無理にお願いした様な形になってしまっていたのに、レスポンスの速さには感動すら覚えました。
しかもハンドルのカタつきもあったが、修理以来販売店経由では 「これも治せない」と聞いていたハンドルも治ってる !!
さっそく使っています。分身が帰ってきた!!
今回は本当にありがとうございました。
ここで私のサイドクリップを使用した感想です。
下記の様なツールなので、20年来の相棒といえる存在になりました。
仕事もいくつか変わったのですが、いつも持ち歩いて仕事にも、海外駐在でも使っていました。
スムーズな概観。
凸凹が少なく携帯しやすい。
メインブレード
ほぼ、親指の延長上。力が逃げません。
・なにより、薄く、軽い。使わないツールというものが付いていない。
・本体が薄いので、 ラインを崩すことなくスーツのポケットやYシャツのポケットでも入れておける。
尻ポケットに入れて車を運転していても気にならないくらいです。
・本体が 薄いので、各ツール部分が手・指・ツールとほぼ一直線となり、力点・支点・作用点のバランスがよい。
分厚いマルチツールナイフでは、特にメインブレードはどちらかのハンドル材に寄った側に付いているので、
ナイフとして使いにくい事が多いのですが、本品はそんなことはありません。
また、メインブレードもホローグラインドになっており、切断した物からの離れがよい。
・本体グリップが片方L型2枚で構成されているせいか、 ドライバーを使用するとき(特にハンドルを一直線にした時)
他のハンドルが矩形のマルチツールより、ねじれに強い気がします。
・プラス・ドライバーは、ハンドルを片方だけ開き、L型にして使う事により、より大きなトルクをかける事ができる。
また、ハンドルが薄いので、PST では入らない様な隙間にもドライバーとして使う事ができます。
こういうカタチにすると力を入れやすい。
万一、ブレードが倒れても指を挟まない。
・プラス・ドライバーを開いた時、ハンドルと180度にはならず、182度とか185度とか?
の角度で固定される。
これにより、力を入れた時にツールブレードが意に反して閉じる事がない。
・マイナス・ドライバー(大)のエッジが鋭く、スクレイパーとして使用できる。
・ニードルノーズプライヤーの「合い」が良く、太い針金を金属疲労させて切断する時など、
滑る心配がない。
・ニードルノーズプライヤーの「合い」が良いため、極細の針金などはプライヤーの先端で切断できる。
ニッパーでの切断より線のひずみが少ないので、 模型等のディティールを崩さないで工作できる。
ブレードに溝が切ってあり、ここに指を掛けてブレードを開く事ができる。
・各ツールを本体から出す際、非常に取り出し易い。ネイルマークも他のマルチツールより深い。
ネイルマークの所のハンドルを削ってあったり、 ツールの根元に爪が掛かる様にしてあったり。
また、ワーキンググラブをしたままでも各ツールブレードを取り出す事ができる。
・(残念ながら持ってはいないのですが)オプションのツールアダプターの装着が可能、という所。
単なる機能を減らした「廉価版」ではなく、
きちんとしたコンセプトの基に設計されている感を受けました。
・構成がシンプルなため、汚れてもメンテナンスしやすい。
・折りたたむと外側にエッジ(鋭角部分)がなく、 ラウンドフォルムとなるため、
服に引っ掛かる心配なく携帯できる。
このため、前述のようなスーツ姿でも気にせず携行できる。
また、クリップもかっちりしていて、まったく緩まないのはすごいです。
・ハンドルの内側にツールがあるため、 プライヤーを除く各ツールを使用する時は、
基本的に ハンドルを閉じて使用します。
このハンドルを閉じて使用するという状態により、各ツール ブレードが収納方向に曲がった時でも、
反対側のハンドルに当たるため、 指を挟んだりナイフエッジで怪我をする事がありません。
・頑丈。バットエンドはありませんが、ハンマー代わりにしたことが、何度か・・・・。
でもぜんぜん大丈夫。各ツールブレードも鋼材が厚いので、信頼感があります。
・弱点は、プライヤーとして使った時、力いっぱい握って使うと手が痛い事。
逆に、痛いくらいの力で使うと壊れるかも、というセイフティのような働き、
と言えなくもない・・・かも。
ほんとうにあげるとキリがないくらいです。
余談ですが、今回の「手元に戻ってこないなら新製品と交換しなくてもいい」という話を妻にしたところ「男はいいわね。そういうロマンがあって」と笑っていました。
またバリバリ使います・・・が、今度は修理不能にならない程度にしておきます。
ナイフをよく使っているせいか、友人などから購入の相談を受ける事があるのですが、自信を持ってレザーマン製品を勧める事ができます。